街、本屋さん化計画。

なんとなくブログをはじめましたので、ご挨拶と今後の野望でも書こうなと思います。

「unonohon」は滋賀県東近江市というところに、新しく作った小さな本屋さんです。

八日市駅前の本町商店街内にある「HONMACHI93」という、作家さんのアトリエとショップが集まる商業施設の中に入っています。これが、築90年のヴォーリズ建築で本当に素晴らしい建物なんですよ。

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で、本屋さんをはじめた理由なんですが、今月号の「POPEYE」の特集でもあるように、街から本屋さんが消えたら大変じゃないですか!

それで本屋さんを作って、せっせと本を並べておるわけなんです。

でも、街の本屋さんって今本当に厳しい時代なんですよ。確かに街から本屋さんが消えたら大変なんですけど、別に全然困らない人の方が今や多いのではないかと思うくらいなんですよね。

なぜ、そんなご時世にわざわざ本屋さんを作ったのかというと、僕には1つ(実際はいくつかあるんですが)野望があるんです。街から本屋さんが消えるのなら、街を本屋さんにしてしまおうという「街、本屋さん化計画」です。

ここ数年で、滋賀でも◯◯の地域を本の街にしたい、といった活動を目にします。駅やいたる所に本棚を持ち出して、地域でいらなくなった本を集めて並べてたりしています。が、僕がやりたいのはちょっと違います。

やっぱり、今後どうしても街から本屋さんは減っていくと思います。一部の書店は残るでしょうが、それはそれで面白くないです。(本屋さんと書店の違いはまた別の機会に書きますね。)

結局のところ、街から本屋さんが消えていって困る人たちが、自分たちでなんとかするしかないと思うんですよ。他人まかせにしていても本屋さんを始めるのって本当に厳しくて、ほぼ増えないですから!(厳密にいうと、本屋さんを始めるのが厳しいのではなく、本屋さんで生計を立てるのが厳しいだけなのですが、、、)

確かに本屋さんを始めるのは厳しい時代です。が、実は今は本棚を作るだけなら数年前よりも環境はものすごく整っているんです!

取次の二次卸しもありますし、ハードルはかなり低くなっているんです!

街のいろんなお店の中に店主さんの得意な分野の小さな本棚ができて、それが街中に広がれば街全体が本屋さんみたいになると思うんです。

僕が作りたい本棚は、誰かがいらなくなった不特定多数の本を通りがかる誰かに見てもらう本棚ではなく。明確な目的や意図をもってセレクトした本で、それを目的に(ごく僅かな人でも)わざわざ足を運んで貰える本棚なんです。

もし、こんな本棚を集めた本屋さんを滋賀で一人で始めたら、それこそ生計が立てられないと思います。

でも街全体の他人事では無く困ってる当事者が協力して棚を作り、一人の本屋さんにリスクを背負わすのではなく、みんなでリスク分散できればよいかなと考えてます。

 

街から本屋さんが消えても、本が消えなければよいんです。多分確実に街から本屋さんは消えていきます。物理的に経営が難しい時代です。じゃー今考えるべきなのは本屋さんを残す手段ではなく、「本を残す手段とその仕組み」かと思います。こういう発想は多分、本屋さんからしか出てこないと思います。でも、困ってる当事者たちは本屋さんではない人たちです。

だから、これを実現するには真ん中に中心となる本屋さんがないと駄目だと思うんですよ。

それが「unonohon」かな、と思って本屋さんを作ったのです。

というわけで、「unonohon」は本屋さんで生計を立てるつもりもなく、規模を拡大する気もなく、ただ人と本を繋げる場所の中心になればよいと思っています。

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昨日、京都から来た知人の「車は走ってるけど、人が歩いてませんね。」という言葉がすごく印象的でした。滋賀にいるとあまり意識しないですが、確かにそうなんですよ!

もう少し、人の姿で溢れる街や商店街になったらいいなー。